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「鹿梨の花(やまなしのはな/しかなしのはな)」は、春の終わり頃に山野に自生するヤマナシ(鹿梨・山梨)が咲かせる白い花を指す季語です。バラ科の落葉高木で、栽培される果樹のナシの原種にあたります。四月から五月にかけて、新緑に先駆けて、あるいは若葉とともに、清楚で素朴な五弁の白い花を枝いっぱいに咲かせます。人里離れた山あいや谷川のほとりでひっそりと、しかし鮮やかに咲く姿は、山野の豊かな息吹を感じさせてくれます。
果樹園で整然と咲く梨の花と比べ、鹿梨の花は自生ならではの野趣や寂びた風情を持っています。人の手の入らない深山や渓谷、山道などを背景に置くと、その白さがより一層際立ちます。春の陽光を受けて輝く様子や、山風に揺れる花びら、芽吹き始めた木々の萌黄色との対比など、視覚的なコントラストを意識して描写すると、山の生命力を生き生きと表現することができます。
・風景の言葉:渓流、谷あひ、山道、岩肌、尾根、木漏れ日 ・五感や情景の言葉:白き、清ら、風渡る、仰ぐ、匂ふ、遠つ人 ・相性のよい春の季語:山笑ふ、春風、春の雲、雪解(ゆきげ)