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山吹(やまぶき)は、晩春に鮮やかな黄金色の花を咲かせるバラ科の落葉低木です。古くは『万葉集』の時代から親しまれ、その独特の冴えた黄色は「山吹色」として日本の伝統色にもなっています。細くしなやかな枝が風に揺れ動く様子から「山振り(やまふり)」と呼ばれ、それが転じて「山吹」になったとも言われています。山あいの谷川や水辺の岸辺に群れ咲く姿がよく知られ、室町時代の武将・太田道灌と八重山吹にまつわる逸話でも広く知られています。
山吹を詠む際は、その「鮮やかな色彩」と「水辺を好む風情」、「枝のしなやかさ」に着目すると情景が鮮やかに立ち上がります。ただ黄色い花と詠むのではなく、川のせせらぎや岩肌との明暗の対比、春雨にしっとりと濡れて垂れる枝の重みなど、動きや質感を取り入れると深みが出ます。また、春の終わりを告げる花でもあるため、行く春を惜しむ気分をほんのりと重ねるのも効果的です。
・水辺の情景(せせらぎ、渓流、井戸、岩陰) ・春の気象(春雨、春風、春光、夕暮れ) ・動きや様子の言葉(しなう、影落とす、水音、黄を重ねる)