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「烏触(うしょく)」とは、晩秋の柿の木に残された熟柿を、烏(カラス)をはじめとする野鳥がつついて食べた跡、または鳥につつかれた柿そのものを指す季語です。「烏突(からすつつき)」や「鳥食(とりはみ)」とも呼ばれます。収穫期を過ぎて葉がすっかり落ちた梢に、ぽつんと残された朱色の柿の実を鳥がついばむ姿や、食べ残されて果肉が崩れた様子は、晩秋から初冬へと移ろう季節の深まりと、どこか物悲しい寂寥感を象徴する風情として親しまれてきました。
烏触を詠む際は、高い梢に残る鮮やかな柿の「朱色」と、秋の澄んだ「青空」や傾く「夕日」との色彩の対比を意識すると情景が鮮明になります。人が採り残した柿が鳥の糧となり、やがて自然に還っていく素朴な里山の営みや、静まり返った寒々しい空気感を切り取ると、季語の持つ哀愁と風情が引き立ちます。
・光・空(夕日、斜陽、日影、冬近し、秋晴) ・木・枝(梢、裸木、枝先、高枝、古木) ・場所・気配(山里、日暮れ、羽音、静寂)
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