冬瓜汁

冬瓜汁

とうがじる

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意味・由来 「冬瓜汁(とうがじる)」は、初秋から仲秋にかけて旬を迎える冬瓜を具にした汁物のことです。冬瓜は漢字で「冬の瓜」と書きますが、収穫期は夏から秋であり、皮を傷つけなければ冬までもつことからこの名が付けられました。冬瓜汁は澄まし汁や味噌汁、あるいはとろみをつけた葛引き仕立てなどにして食されます。半透明に煮上がった冬瓜の清涼感と、冷めにくい柔らかな温かさが、夏の疲れを癒やし秋風が立ち始める季節の風情にぴったりと寄り添う秋の季語です。 ### この季語で詠むコツ 冬瓜はそれ自体に強い味がなく、出汁をたっぷり吸い込んだ上品で淡白な味わいが特徴です。そのため、視覚的な「透き通るような白さ・翡翠色」、触覚・味覚的な「とろりとした舌触り」「喉越し」「熱さ」など、五感を活かして描写すると瑞々しさが際立ちます。また、夏の終わりから初秋にかけての朝夕の冷え込みや、家族の食卓の穏やかな情景と取り合わせることで、心身を温める優しい日常の一コマを情感豊かに表現できます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「熱し(あつし)」「透く(すく)」「葛(くず)」「吸物(すいもの)」「椀(わん)」「湯気」「朝餉(あさげ)」「夕餉(ゆうげ)」「箸(はし)」「秋めく」「初秋の風」など、食卓のぬくもりや五感に訴えかける言葉と相性が抜群です。

冬瓜汁」の俳句例 (3件)

冬瓜汁淡しといへば淡けれど
高浜虚子【現代語訳】冬瓜汁は淡泊な味だと言えば確かにその通りだが、その淡さのなかに言い尽くせぬ味わい深さがある。【鑑賞】素材自体の主張が強くない冬瓜汁の特長を、平明な言葉で肯定した一句です。「淡けれど」の響きの中に、季節の移ろいとともに体に染み入る繊細な出汁の旨味と、素朴な滋味への愛着が巧みに表現されています。
冬瓜汁熱くして喉すべるなり
日野草城【現代語訳】冬瓜汁はとても熱いのだが、とろとろになった冬瓜がなめらかに喉を滑り落ちていくことだ。【鑑賞】冬瓜特有のとろけるような柔らかさと熱さ、そして喉越しの心地よさを感覚的に捉えた一句です。「熱くして」と「喉すべる」の鮮やかな対比が、汁物の温もりと秋の食卓の豊かな満足感をありありと伝えています。
冬瓜の汁に秋待つ心哉
智月尼【現代語訳】冬瓜の汁を味わいながら、本格的な秋の訪れを静かに待ちわびる心持ちであることよ。【鑑賞】芭蕉門下の女性俳人・智月尼による句。夏の暑熱がまだ残る時期、透き通るような冬瓜の優しい涼味と温かさを通して、涼やかな秋がやってくるのを静かに心待ちにする、細やかで奥ゆかしい情感が詠み込まれています。

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