七夕竹

七夕竹

たなばただけ

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意味・由来\n「七夕竹(たなばただけ)」とは、陰暦七月七日の七夕の祭りに際し、願い事を書いた色とりどりの短冊や吹き流し、千代紙の細工などを結びつけて飾る笹竹のことです。傍題に「笹竹」「星竹」「飾竹」などがあります。天道や織姫・彦星の天の川伝説に祈りを届けるため、天高く伸びる生命力豊かな竹を用いたのが始まりです。秋の風に揺れる色鮮やかな短冊の情景は、初秋の夜空の美しさと相まってどこか幻想的であり、祭りの華やぎと同時に、季節の移ろいに伴う微かな哀愁も漂わせます。\n\n### この季語で詠むコツ\n七夕竹を詠む際は、視覚的な色彩(五色の短冊、青竹、夜空の紺)や、風情ある聴覚(笹の葉擦れの音、夜風の音)を丁寧にすくい取ることがポイントです。また、幼い子どもの微笑ましい願い事や家族の温かい情景を描くアプローチと、夜のしじまに星を仰ぐ静謐な叙情を描くアプローチのどちらにも相性が良い季語です。飾られている最中だけでなく、七夕が過ぎた後の少し寂しげな竹の様子に着目するのも趣があります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・色や光に関する言葉:五色、星明かり、軒端の月、藍色の空\n・動きや音に関する言葉:風の音、葉擦れ、そよぐ、揺らぐ\n・情緒的な情景:子らの文字、宵闇、夜風、願い文

七夕竹」の俳句例 (3件)

七夕竹やわが世の貧ここにあり
杉山杉風【現代語訳】飾られた七夕竹を眺めていると、貧しい我が暮らしぶりがここにそのまま現れているようだ。\n【鑑賞】芭蕉門下の高弟・杉山杉風の句。質素な短冊やわずかな飾りが揺れる笹竹に、自らの慎ましい生活ぶりを投影しています。自嘲を含みつつも、七夕という風流な行事を愛しみ、ありのままの暮らしを受け入れる俳諧味と温かな情感がにじみ出ています。
七夕竹夜に入れば風の生れけり
正岡子規【現代語訳】昼間は静かだった七夕竹に、夜になると涼やかな風が吹き始めて笹が鳴り出したことだ。\n【鑑賞】正岡子規の句。日が暮れて夜の帳が下りた途端、どこからともなく初秋の風が起こり、笹の葉や短冊を揺らし始める瞬間を捉えています。「風の生れけり」という繊細で生き生きとした表現により、夜空と星空の広がり、そして秋の気配の到来が爽やかに伝わってきます。
七夕竹一本買ひて帰りけり
高浜虚子【現代語訳】町で七夕竹を一本買い求め、大事に持って家路についたことだ。\n【鑑賞】高浜虚子の句。行事のために笹竹を一本買って帰るという、生活の何気ない一コマを平明な言葉で詠み留めています。飾り付けを待つ家族や子どもたちの顔を思い浮かべながら歩く道中の、ささやかで確かな幸福感が余韻として心地よく残ります。

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