雀踊

雀踊

すずめおどり

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意味・由来

「雀踊(すずめおどり)」は秋の季語で、雀が小刻みに跳ねたり餌をついばんだりする愛らしい仕草を模して踊る民俗芸能・風俗踊りの一種です。特に宮城県仙台市の「仙台すずめ踊り」が名高く、慶長8年(1603年)の仙台城新築移転の宴席において、堺(現在の大阪府)から招かれた石工たちが即興で披露したのが始まりと伝えられています。伊達家の家紋「竹に雀」に通じるめでたさや、秋の収穫期における豊作祈願・雀追い(鳥追い)の信仰とも結びつき、各地の秋祭りや門前で親しまれてきました。両手に扇子を持ち、軽快なリズムに乗って跳ね踊る姿が秋の風情を生き生きと伝えます。

この季語で詠むコツ

雀踊の真骨頂は、その小気味よい「躍動感」と「リズム」にあります。太鼓や笛の響き、パッとひるがえる扇子の鮮やかさ、土埃を蹴立てて跳ねる足元など、視覚と聴覚を刺激する具象的な描写を取り入れるのがコツです。また、祭りの持つ華やぎを描くだけでなく、踊りが通り過ぎた後の秋風の冷たさや夕暮れの寂寥感など、動と静のコントラストを意識すると句に深い余韻が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 道具や動作の描写:扇、笠、袖、手拭、跳ねる、翻る、埃
  • 音やリズムの言葉:太鼓、笛、拍子、お囃子、遠音(とおね)
  • 秋の情景・空間:辻(交差点)、門前、秋日和、夕暮、露、石垣

雀踊」の俳句例 (3件)

雀踊太鼓の音の近よりて
正岡子規【現代語訳】雀踊りの賑やかな太鼓の音が、だんだんとこちらへ近づいてくることだ。 【鑑賞】どこからともなく響いてくる太鼓の拍子が次第に大きく、間近に迫ってくる臨場感を素直に詠み留めた一句です。これから目の前に飛び出してくるであろう軽快な雀踊りへの胸の高鳴りと、秋祭りの活気がストレートに伝わってきます。
雀踊はや見え初めぬ辻の奥
河東碧梧桐【現代語訳】雀踊りの列が、向こうの通りの辻の奥にもう見え始めたことだ。 【鑑賞】お囃子の音に誘われて視線を向けた辻(交差点)の奥から、跳ね踊る一行が姿を現した瞬間を捉えています。「はや見え初めぬ」という表現に、待ちわびていた祭りを見る人々の興奮と視線の動きが鮮明に写し出されています。
雀踊笠に隠るる顔もなし
正岡子規【現代語訳】雀踊りを激しく跳ね踊るうちに、被った笠の奥の顔も隠しきれず露わになっている。 【鑑賞】盆踊りのようなしとやかな踊りとは異なり、体を激しく動かして軽快に跳ね回る雀踊りの特徴を活写しています。深編笠などに顔を隠す暇もないほど夢中で踊る人々の熱気や笑顔が伝わってくる、ユーモアと写生味に富んだ名句です。

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