精霊祭

精霊祭

しょうりょうまつり

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意味・由来

「精霊祭(しょうりょうまつり)」とは、お盆(盂蘭盆会)に先祖や故人の霊(精霊)をお迎えし、供養して送り出す一連の祭事のことです。「魂祭(たままつり)」や単に「盆」とも呼ばれますが、「精霊祭」と呼ぶことで、祖霊に対する敬虔な祈りや、厳かでどこか懐かしい宗教的儀礼の響きが色濃くなります。旧暦の7月15日(現在では8月中旬に行われることが多い)を中心に行われ、精霊棚(盆棚)を飾り、迎え火・送り火を焚いて先祖の魂をもてなします。

この季語で詠むコツ

「精霊祭」は七音の季語(しょうりょうまつり)であるため、中七に置くか、上五・下五に配置を工夫してリズムを整えることが基本となります。単なる行事の報告にとどまらず、線香の煙、迎え火の炎、盆棚の蓮の葉や水滴など、五感に訴える情景を切り取ると詩情が高まります。また、故人への個人的な追慕の情と、秋の訪れを感じさせる周囲の静けさや風の涼しさを対比させることで、より深い余韻を生み出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・五感の言葉(煙、匂ひ、灯、水、かすけき、静けさ) ・場所や風土(信濃、古家、門火、畳、杉木立) ・時候・自然の情景(あかつき、夕立、通り雨、秋風、暮色)

精霊祭」の俳句例 (3件)

精霊祭水うつくしき信濃かな
岡本眸【現代語訳】精霊祭を迎えているが、ここ信濃の地は水が実に清らかで美しいことよ。 【鑑賞】精霊をもてなす盆行事と、信濃の豊かな自然の象徴である清らかな水を取り合わせた一句。祖霊を迎える場としての清浄さと土地への愛着が、「水うつくしき」という簡潔で素直な措辞に美しく昇華されています。
精霊祭灯ともしごろの通り雨
久保田万太郎【現代語訳】精霊祭の夕暮れ、盆提灯や仏壇の灯明を灯すころになって、さっと通り雨が降ってきたことだ。 【鑑賞】下町の哀歓を描き続けた万太郎らしい情緒豊かな一句。夕暮れの薄暗がりと灯されたばかりの灯の明るさ、そして通り雨のしっとりとした気配が、霊を迎える宵の静けさと切なさを際立たせています。
精霊祭あかつき杉の匂ふなり
飯田蛇笏【現代語訳】精霊祭を迎えた明け方、山里の冷気配のなかで杉の木々が清々しく匂っている。 【鑑賞】甲斐の山懐に生きた蛇笏の重厚な作風が光る句です。「あかつき」の清冽な空気と「杉の匂ひ」という嗅覚の描写により、死者と生者が交わる神聖で凛とした空間を鮮やかに描き出しています。

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