しはあり草

しはあり草

しわありぐさ

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意味・由来

「しはあり草(しわありぐさ)」は、「皺有草」とも書き、主にオトギリソウ(弟切草)の古名・異名とされる秋の季語です。葉の表面に細かい筋や皺、あるいは油点と呼ばれる斑点があることからこの名がついたといわれています。古くから民間薬や染料として親しまれてきた野草ですが、その名に「皺(しわ)」が含まれていることから、歳月の経過や老い、秋の深まりとともに枯れゆく侘びしさを連想させる独特の風情を持っています。

この季語で詠むコツ

「しはあり草」という語感と漢字の持つイメージから、「老い」「侘び」「秋の哀傷」といった情緒と結びつきやすい季語です。単に植物の姿を写生するだけでなく、人のはかなさや季節の移ろいに対する感慨を重ねて詠むと深みが生まれます。また、名前に含まれる「しわ」という音や意味を意識し、乾いた秋風や朝夕の露、色あせていく野山の風景と対比させると効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 時間の経過を表す言葉:老い、古りぬ、夕暮れ、秋深し、去りゆく
  • 情景・自然を描く言葉:露、野道、枯草、薄日、秋風
  • 心情を表す言葉:あはれ、寂し、名残、懐かし

しはあり草」の俳句例 (3件)

しはあり草いづれの秋に老にけむ
向井去来【現代語訳】しはあり草よ、お前は一体いつの秋からそんなに老いた姿(皺のある姿)になってしまったのだろうか。 【鑑賞】草の名にある「皺」に着目し、秋の深まりと老いの感慨を重ね合わせて問いかけるように詠んだ名句です。蕉門の高弟である去来ならではの、しみじみとした侘びの情趣が漂います。
しはあり草露のこぼれぬ日かずかな
三宅嘯山【現代語訳】しはあり草の上に降りた露が、こぼれ落ちることもなくそのまま乾いていくような日々が重なっていることよ。 【鑑賞】江戸中期の俳人・三宅嘯山の句。秋が深まり、草葉の露さえも静かに留まり枯れていくような日々の移ろいを繊細に捉え、静謐な秋の時間の流れを美しく描き出しています。
しはあり草名を知る人も少なくて
正岡子規【現代語訳】野にひっそりと生えているしはあり草だが、その風流な名前を知っている人も今では少なくなってしまった。 【鑑賞】道端にひっそり咲く古名の残る草に目を留め、忘れ去られゆく古典的な風流への愛惜を詠んだ句です。素朴な草花に対する子規の温かな観察眼が感じられます。

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