豇豆引く

豇豆引く

ささげひく

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意味・由来

「豇豆引く(ささげひく)」とは、秋に実ったササゲ(マメ科の一年草)の蔓を根元から引き抜き、収穫したり畑の後片付けをしたりする農作業を指す季語です。ササゲは細長い鞘が特徴で、古くから赤飯などに使われて親しまれてきました。秋が深まり、実を十分に付けた蔓を力強く引き抜く作業は、農村の秋の訪れと冬支度の始まりを告げる風物詩となっています。

この季語で詠むコツ

「引く」という動詞が含まれているため、身体の動きや力感、蔓が引きちぎれる音、土の匂いなど五感を刺激する描写が効果的です。また、繁茂していた蔓を片付けたことで急に畑が広く感じられたり、遠くの景色が見えるようになったりする「空間の広がりや寂寥感」に目を向けると、秋の実りと移ろいを深く表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・身体や動作に関する言葉(腰、手、埃、汗、力など) ・畑や道具の描写(背戸、畦、籠、土、青空など) ・秋の深まりを感じさせる景(秋風、夕日、曼珠沙華、日暮れなど)

豇豆引く」の俳句例 (3件)

豇豆引て背戸の畑の広さ哉
各務支考【現代語訳】ササゲをすっかり引き抜いて片付けると、屋敷の裏手にある畑がこんなにも広かったのかと驚かされることだ。 【鑑賞】今までササゲの蔓が生い茂って狭く見えていた裏畑が、収穫を終えたことで一気に開けた実感を詠んでいます。農作業を終えた清々しさと、同時に秋が深まり畑が寂しくなる風情が見事に表現されています。
豇豆引くや畑の隅の曼珠沙華
正岡子規【現代語訳】ササゲを引き抜いていると、畑の片隅に鮮やかな彼岸花が咲いているのが目に入った。 【鑑賞】泥臭い農作業の合間に、畑の隅に咲く鮮紅色の曼珠沙華(彼岸花)が鮮やかなコントラストを描いています。秋晴れの光景の中に、季節の移ろいと色彩の美しさを捉えた写生句です。
豇豆引や遠山あゆむ秋の雲
小林一茶【現代語訳】畑でササゲを引いていると、遠くの山並みを秋の雲がゆっくりと渡っていくのが見える。 【鑑賞】手元のササゲを引く地道な労働と、ふと目を上げた先にある雄大な秋空の雲の流れという遠近の対比が鮮やかです。秋の澄んだ空気感と穏やかな時間の流れが感じられます。

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