三五夜

三五夜

さんごや

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意味・由来

「三五夜(さんごや)」とは、陰暦八月十五夜(中秋の名月)の夜、あるいはその夜の月そのものを指す仲秋の季語です。「三×五=十五」のかけ算から十五夜を表す漢語表現で、中国唐代の詩人・白居易の詩「三五夜中新月色(さんごやちゅう しんげつのいろ)」をはじめとする漢詩文に由来します。「名月」や「十五夜」と実質的には同じ対象を指しますが、漢詩の素養を感じさせる、より雅やかで格調高い響きを持っています。

この季語で詠むコツ

名月」が団子や宴、庶民的な親しみやすさを含みやすいのに対し、「三五夜」は静けさ、典雅、漢詩的な風流さを詠み込むのに最適です。古典的な美意識を意識し、酒や琴、影、水辺、旅愁といった風情あるモチーフと合わせると言葉の持つ重みや透明感が引き立ちます。大仰になりすぎず、澄み切った秋の夜の空気感を落ち着いたトーンで切り取るのがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 静寂・視覚を誘う言葉: 「影」「水面」「澄む」「冴ゆる」「雲間」
  • 風流・古典的な道具や情景: 「盃(酒)」「琴」「舟」「砧」「欄干」
  • 心情・背景: 「旅寝」「独坐」「客(まろうど)」「古城」

三五夜」の俳句例 (3件)

三五夜もならで旅寝の雲間哉
松尾芭蕉【現代語訳】まだ十五夜の満月でもないのに、旅寝の空の雲間から漏れ出る月光はなんと風情があることだろう。【鑑賞】名月そのものの日ではない月であっても、旅先で見上げる月光に深い風流と旅愁を見出している芭蕉初期の一句です。
三五夜の月澄む池に舟浮べて
正岡子規【現代語訳】中秋の美しい月が澄みわたる夜、池に舟を浮かべて風流に月を愛でている。【鑑賞】池の水面に映る名月と夜の静けさを楽しむ、優雅な舟遊びのひとときを素直な描写で表現しています。
三五夜の月に琴弾くをとめかな
正岡子規【現代語訳】澄みわたる中秋の十五夜の月光を浴びながら、琴をつまびいている乙女がいることだ。【鑑賞】「三五夜」という典雅な言葉遣いに呼応するように、月光と清らかな琴の音、そして若き女性の姿が一体となった、優美で絵画的な情景を描いています。

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