逆髪祭

逆髪祭

さかがみまつり

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意味・由来

「逆髪祭(さかがみまつり)」は、秋(旧暦8月24日、現在は秋の特定日)に行われる、平安時代の歌人・蝉丸の姉とされる「逆髪(さかがみ)」を偲ぶ祭礼です。滋賀県大津市の逢坂山にある関蝉丸神社などにまつわる祭季語として知られています。逆髪は、髪の毛が逆さに生え立つ奇病に苦しみ、放浪の末に逢坂山で弟の蝉丸と巡り合ったという悲話や伝説(能の演目『蝉丸』など)で有名です。そのため、髪の悩みを持つ人々や理容・美容関係者、また音曲・芸能の守護神としても信仰を集めてきました。秋の寂寥感や逢坂山の歴史的情緒を漂わせる、どこか哀切で奥深い季語です。

この季語で詠むコツ

逆髪の伝説が持つ「逢坂山」「峠の風」「乱れ髪」「哀感」といったドラマチックな背景を意識すると、深みのある句になります。単に祭の様子を描くだけでなく、女性の黒髪や櫛、秋風の冷たさ、旅路の寂しさなどを通して、伝説の情念や季節の移ろいを象徴的に表現するのが効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・逢坂(おうさか/逢坂山、逢坂越え) ・髪(黒髪、乱れ髪、髪梳く、櫛) ・風(秋風、嶺の風、峠風) ・音(琵琶、糸の音、葉擦れ)

逆髪祭」の俳句例 (3件)

逆髪の祭の風の逢坂山
長谷川双魚【現代語訳】逆髪祭のころ、逢坂山には伝説を呼び起こすかのような秋風が吹き抜けている。【鑑賞】逢坂山を舞台とした蝉丸と逆髪の哀しい伝説が、峠を吹き抜ける秋風の冷涼な感触とともに鮮やかに浮かび上がる一句です。「逢坂山」という歌枕の歴史と風土をストレートに捉えています。
逆髪の祭近しと髪梳けり
桂信子【現代語訳】逆髪祭の日が近いと心に留めながら、静かに自らの髪を櫛で梳いている。【鑑賞】逆髪の伝説に心を寄せつつ、自らの女性としての髪への想いを重ね合わせた繊細な句です。秋の澄んだ空気のなかで髪を梳く静謐な所作に、微かな艶やかさと哀切が漂います。
逆髪の祭すぎたる逢坂や
角川源義【現代語訳】逆髪祭も無事に過ぎ去り、逢坂の関跡には秋の静けさが戻ってきたことだ。【鑑賞】祭のあとの寂寞とした気配が、秋深まる逢坂山の風景と見事に調和しています。「すぎたる」という時間の経過を示す措辞によって、古代から続く伝説の余韻と、祭のあとの静けさが際立っています。

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