日展

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意味・由来 「日展」は、日本最大規模の公募美術展覧会である「日本美術展覧会」の略称で、俳句では秋(晩秋)の季語として親しまれています。明治40年(1907年)に文部省が主催した第一回「文展(文部省美術展覧会)」に起源を持ち、帝展、新文展を経て、戦後に民間主導の「日展」へと発展しました。日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門からなり、毎年秋の深まりとともに開催されることから、「芸術の秋」「文化の日」を象徴する生活・行事の季語として歳時記に収められています。 ### この季語で詠むコツ 会場に並ぶ大作の圧倒的なエネルギーや、絵の具の匂い、会場の広さによる足の疲れなど、鑑賞現場の生々しい実感を捉えるのがポイントです。また、長時間にわたる鑑賞を終えて外に出たときの外気の冷たさ、夕暮れの街の様子、黄葉した木々などの晩秋の景観と対比させると、芸術鑑賞による精神的な充実感や心地よい疲労感が際立ちます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「絵の具」「図録(目録)」「彫刻」「画廊」「人波」「足疲れ」「銀杏落葉」「秋暮る」「夕冷え」など、展覧会そのものの具体物や、鑑賞後の夕暮れの景、秋の深まりを伝える語と非常に相性が良いです。

日展」の俳句例 (3件)

日展を出て夕風の立ちにけり
久保田万太郎【現代語訳】日展の鑑賞を終えて外へ出ると、ちょうど秋の冷やかな夕風が吹きはじめていた。【鑑賞】多くの人で混雑する会場から抜け出し、上野の街へと踏み出したときの開放感が詠まれています。頬をなでる夕風のひんやりとした感触が、充実した芸術鑑賞のあとの心地よい疲労と重なり、晩秋の情趣を漂わせています。
日展を見し眼に秋の日暮あり
高浜年尾【現代語訳】日展の膨大な美術作品を熱心に見つづけてきた眼の前に、いつしか秋の夕暮れが広がっている。【鑑賞】日展の会場内で鮮烈な美や多彩な色彩を浴びたあと、館外に出てふと空を見上げた瞬間の景です。美術の熱気で火照った眼に映る、しんとした秋の日暮れの冷気と静けさが、心地よい余韻とともに描かれています。
日展の彫刻の間に冷えにけり
及川貞【現代語訳】日展の彫刻展示室を巡っているうちに、秋の冷え込みが身にしみて感じられた。【鑑賞】広々とした彫刻室は、ブロンズや大理石などの無機質な素材が並び、絵画室とはまた異なる独特の冷気や静寂が漂います。視覚的な作品の印象と肌で感じる秋の寒冷が見事に重なり合い、空間の広がりと季感が鮮やかに伝わってきます。

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