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「事納(ことおさめ)」は、主に十二月八日を指す冬の季語です。二月八日の「事始(ことはじめ)」と対になる言葉で、その年の農作業や諸々の仕事をひと段落させ、締めくくる日とされてきました。地域によってはこの日を正月の準備を始める日(事始)とする場合もありますが、いずれにしても一年の労働の節目となる大切な日です。この日は仕事を休んで、折れた針を豆腐や蒟蒻に刺して供養する「針供養」を行ったり、根菜などを煮込んだ「お事汁(おことじる)」をいただいたりして、日々の営みや道具への感謝を捧げる風習が残っています。
年の瀬の慌ただしさが本格化する直前の、「一区切りがついた安堵感」や「静けさ」を捉えるのがポイントです。大掃除や年越しの騒々しさとは異なり、道具を片付ける所作や、夕暮れ時の静まり返った空気感を丁寧に描くと、この季語ならではの味わいが出ます。また、長年使い込んだ道具への愛着や、日々の暮らしへの労いを素直な視点で詠み込むと、温かみのある深みを持った一句に仕上がります。
・道具や生活に関わる言葉(針、糸、豆腐、納屋、農具、箒など) ・五感や情景を描く言葉(煮込み鍋、湯気、暮れ色、夕煙、静けさなど) ・動作や心情を表す言葉(拭き清める、仕舞ふ、息つく、労ふなど)