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榲桲(マルメロ)はバラ科の落葉小高木で、秋に洋梨のような形の黄色い果実を実らせます。表面に細かな綿毛が生えているのが特徴で、同じく秋の実である花梨(カリン)とよく似ていますが別種です。江戸時代初期に長崎へ渡来し、ポルトガル語の呼び名がそのまま和名として定着しました。果肉が硬く渋みがあるため生食には向きませんが、非常に芳醇で甘い芳香を放つため、部屋の芳香剤として置かれたり、ジャムや砂糖漬け、果実酒などに加工されたりして古くから親しまれています。
榲桲を詠む際は、その「豊かな芳香」と「独特の手触りや姿」に注目するのが効果的です。視覚的な黄色い実の美しさだけでなく、部屋に一つ置くだけで空間を満たす甘い香りを、嗅覚を通して描写すると臨場感が出ます。また、実の表面を覆うビロードのような綿毛の手触りや、包丁を入れたときの硬さ、台所で煮詰めてジャムにする光景など、日常の暮らしと結びつけることで温かみのある句に仕上がります。
・芳香(ほうこう)、匂う、甘き香(香りを表現する言葉) ・籠(かご)、窓辺、日溜まり、机(実を置く場所を表す日常の言葉) ・砂糖、煮る、包丁(ジャムなどの加工風景を思わせる言葉) ・秋深し、秋日(晩秋の落ち着いた情景を添える言葉)