栗飯
autumn 生活

栗飯

くりめし

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意味・由来

「栗飯(くりめし)」は、実りの秋を代表する家庭料理であり、晩秋の季語です。新米の白米に、皮を剥いた栗を入れて塩や酒などで薄味をつけ、ふっくらと炊き上げます。栗の鮮やかな黄色と新米の白さの対比が目にも美しく、素朴ながらも贅沢な秋の味覚として、古くから庶民に愛されてきました。収穫の感謝を表す行事食でもあり、家族で囲む食卓のぬくもりを象徴する季語です。

この季語で詠むコツ

栗飯を詠む際は、その「五感」に訴えかける特徴を捉えるのがコツです。炊き上がりの豊かな香りや湯気、口にしたときのほくほくとした甘みといった味覚や嗅覚はもちろん、栗を剥く際の手間の多さや指先の痛みといった「作るプロセス」に着目するのも効果的です。また、日常の何気ない生活感や、家族団欒の温かさを素直に表現することで、読み手の共感を呼ぶ親しみやすい句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色彩・光: 黄、白、湯気、灯火、夕餉
  • 動作・生活: 剥く、炊く、よそう、箸、お焦げ、家族
  • 心理・情景: ほっこり、温か、久しぶり、病み上がり、懐かし

栗飯」の俳句例 (3件)

栗飯や一きはうすき山の月
松尾芭蕉【現代語訳】栗飯をいただいていると、東の山の端から上ってきた月が、一段と淡く清らかに輝いて見えて実に美しいことだ。【鑑賞】旅先で手厚いもてなしを受け、温かい栗飯を差し出された折の句とされています。温かみのある黄色い栗飯と、夜空に浮かぶ青白く澄んだ秋の月との色彩的な対比が非常に美しく、感謝と風雅の心が一体となった名句です。
栗飯の少し焦げたる匂ひかな
正岡子規【現代語訳】炊き上がったばかりの栗飯から、少し焦げた香ばしい匂いが漂ってくることよ。【鑑賞】「匂い」という嗅覚に焦点を当てることで、炊きたての釜の様子や、ふっくらとしたお米の美味しさを見事に再現しています。気取らない日常の一コマをありのままに写生した、子規らしい親しみやすさに満ちた一句です。
栗飯や病後の箸の進むなる
村上鬼城【現代語訳】病気から回復した体で栗飯をいただくと、じつに味わい深く、どんどん箸が進むことである。【鑑賞】病を患っていた作者が、快方に向かう中で秋の味覚である栗飯を口にし、その素朴な美味しさに食欲が湧いてくる喜びを詠んでいます。生きている実感と健康のありがたさが、素直な表現の中に滲み出ています。

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