栗鹿の子
autumn 生活

栗鹿の子

くりかのこ

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意味・由来

「栗鹿の子(くりかのこ)」は、実りの秋を代表する贅沢な和菓子です。一般的には、求肥や餡の周りに蜜漬けにした丸ごとの栗や刻んだ栗を隙間なくあしらったものを指します。その艶やかな姿が、小鹿の背中にある白い斑点(鹿の子模様)に似ていることからこの名が付きました。栗の持つ黄金色の輝きとずっしりとした存在感は、視覚的にも味覚的にも秋の豊かさを象徴しており、お茶の席を彩る特別な菓子として愛されています。

この季語で詠むコツ

栗鹿の子を詠む際は、その「重さ」「艶」「甘さ」といった五感を刺激する具体的な特徴に注目するのがコツです。箸で持ち上げたときのずっしりとした手応えや、口に運んだときの贅沢な甘みを写生することで、読者にその美味しさをリアルに伝えることができます。また、お茶を点てる静かな時間や、大切な人をもてなす場面など、お菓子を囲む上品な時間経過や空間の空気感を合わせて描写するのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・触覚:箸(はし)、重たき、崩す、包む、載せる
  • 道具・空間:薄茶(うすちゃ)、茶筅(ちゃせん)、盆、客間、一人
  • 情景・心情:小春日(こはるび)、憩う、甘し、贅沢、日暮(ひぐれ)

栗鹿の子」の俳句例 (3件)

栗鹿の子こころの皺をのばしつつ
鷹羽狩行【現代語訳】栗鹿の子をいただきながら、日頃の忙しさや気苦労でこわばっていた心のしわを、ゆっくりと伸ばしていくようだ。【鑑賞】栗鹿の子の豊かな甘みと美しい見た目が、疲れた心を優しく解きほぐしてくれる様子を「こころの皺をのばしつつ」とユーモラスかつ実感的に表現した名句です。
栗鹿の子一人の茶儀のいそがしき
後藤比奈夫【現代語訳】栗鹿の子を食すために、自分一人だけのお茶の時間を設けたが、その準備やお点前にかえって忙しく立ち働いていることだ。【鑑賞】贅沢な和菓子である栗鹿の子を最も美味しい状態で楽しむため、一人でありながら本格的にお茶を点て、その作法や段取りに熱中している微笑ましい日常の一コマを切り取っています。
栗鹿の子箸に重たき一ト塊
阿部みどり女【現代語訳】出された栗鹿の子を箸で持ち上げると、ずっしりとした重みがその一塊に感じられる。【鑑賞】栗がぎっしりと詰まった栗鹿の子の、贅沢な質量感を「箸に重たき」と端的に写生しています。食べる直前の期待感と、秋の恵みの豊かさが、箸を通した触覚から見事に伝わってくる句です。

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