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「今年酒(ことしざけ)」とは、その年の秋に収穫されたばかりの新米を用いて、真っ先に醸造された酒(新酒)のことを指す仲秋・晩秋の季語です。古くから米の収穫は神の恵みとして感謝され、その初穂で造られた酒は神饌(しんせん)として神前に供えられたのち、人々にも振る舞われました。単なるアルコール飲料としての「酒」ではなく、実りの秋の喜びや自然への感謝、そして新米ならではのみずみずしく華やかな香りを含んだ、祝いと豊穣の気分に満ちた季語です。
「今年酒」を詠む際は、熟成した古酒にはない「新酒ならではの若々しい香り」や「澄み切った清涼感」、そして「初物を口にする高揚感」に焦点を当てると鮮やかな句になります。また、酒そのものの味や香りだけでなく、酒樽の杉の香り、新調された杉玉、夕暮れの心地よい冷気(夜寒・そぞろ寒)など、酒をめぐる五感の情景や秋の深まりゆく風情を合わせることで、生活の温もりや風雅な味わいが深まります。
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