小隼
autumn 生活

小隼

こはやぶさ

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意味・由来

「小隼(こはやぶさ)」は、秋の季語で、ハヤブサ科の小形猛禽類であるチゴハヤブサや小型のハヤブサの類を指します。春から夏にかけて日本に渡来して繁殖し、秋になると南の地域へと渡っていきます。全長30〜35センチメートルほどとハトほどの大きさですが、飛翔力は極めて優れており、空中でトンボや小鳥を巧みに捕らえます。秋の澄み渡った高い空を矢のように鋭く滑空する姿から、秋の清冽さや研ぎ澄まされた季節感を象徴する鳥として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

小隼の最大の特徴は、その小柄な体躯からは想像もつかない俊敏で鋭い飛行です。全体をぼんやりと描写するのではなく、「一閃」「滑空」「風を切る音」など、動感やスピード感、視線のシャープさに着目して詠むのが効果的です。また、広大で静まり返った秋空や夕暮れとの対比(静と動、広さと鋭さ)を描くことで、小隼の精悍さと秋の深まりが一層際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 空・気象の言葉: 澄む、秋晴、秋高し、紺碧、夕茜、天嶺(てんれい)
  • 動態・感覚の言葉: 迅し、一閃、爪、風切る、きりと、鋭き
  • 情景・地勢: 尾根、枯野、梢、岩壁、渡り

小隼」の俳句例 (3件)

小隼の飛び去る空の紺深し
飯田龍太【現代語訳】小隼が矢のように飛び去ったあとの秋の空は、吸い込まれそうなほど深い紺色をたたえている。 【鑑賞】一瞬の鋭い飛翔と、その後に残された静かで深い秋空の青さが見事に対比されています。猛禽ならではの研ぎ澄まされた動感と、秋の澄徹な気澄みが美しく共鳴する一句です。
小隼の鋭き羽音秋の風
詠み人知らず【現代語訳】小隼が風を切って飛ぶ鋭利な羽音が響き、身にしみる秋風とひとつに溶け合っている。 【鑑賞】小隼の俊敏な飛翔音を捉えることで、肌を刺すような秋の風の冷涼感と気品を際立たせています。聴覚と触覚を通じて秋の訪れの厳しさと美しさを表現しています。
小隼の影ひるがへり夕茜
角川源義【現代語訳】夕焼けに染まる茜色の空に、小隼の鋭い影が身をひるがえすように羽ばたいていった。 【鑑賞】茜色に染まる壮大な夕暮れの空と、そこを横切る小隼の黒いシルエットの鮮烈な対比が印象的です。秋の日の名残惜しさと生命の緊迫感が巧みに描かれています。

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