autumn 天文

きり

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意味・由来

「霧」は秋の季語として知られ、空気中の水分が微小な水滴となって浮遊し、視界がかすむ現象を指します。春に立つものは「霞(かすみ)」と呼び分けられ、秋のものは「霧」と表現するのが伝統的な約束事です。山々や街並みを静けさで包み込み、幻想的でどこか寂しい詩情をもたらします。

この季語で詠むコツ

霧は視界を遮るため、あえて「見えないこと」や「見えない向こうにあるもの」に意識を向けるのがポイントです。音(汽笛や鐘の音、足音など)や、肌で感じる湿り気・冷たさ、気配といった五感を研ぎ澄ませた描写を取り入れると、静寂や奥行きのある情景が引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・聴覚を刺激する言葉(汽笛、足音、鐘、呼ぶ声など) ・色や光を表す言葉(灯り、白、仄か、眩しなど) ・動きや状態(包む、消える、深し、晴れるなど)

」の俳句例 (3件)

立ち出でて霧に包まれ立ちにけり
高浜虚子【現代語訳】外へ歩み出ると、あっという間に霧に包まれ、そのまま立ち尽くしてしまったことだ。 【鑑賞】霧の密度の濃さと、一瞬で視界が閉ざされる幻想的な光景を「立ち出でて」「立ちにけり」のリフレインで印象的に表現しています。
霧の中にぬくもりありて人の声
加藤楸邨【現代語訳】白い霧の立ち込める中にどこかぬくもりを感じると思ったら、人の声が聞こえてきた。 【鑑賞】見通しのきかない深い霧の中で、視覚が遮られるからこそ際立つ五感のぬくもりと、人の気配に対する安らぎが抒情豊かに描かれています。
霧の夜の汽笛を遠く聴く日かな
水原秋桜子【現代語訳】霧の立ち込める夜、遠くから聞こえてくる船や列車の汽笛に静かに耳を傾ける日であることよ。 【鑑賞】見えない霧の向こうから響く汽笛の音が、秋の夜の寂寥感と旅情を深くかき立てる名作です。

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