桔梗の衣
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桔梗の衣

ききょうのころも

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意味・由来 「桔梗の衣(ききょうのころも)」とは、秋に咲く桔梗の花の美しく気品のある青紫色を、衣服(特に平安時代の「襲(かさね)の色目」としての桔梗)に喩えた言葉です。表が薄紫、裏が青などの上品な配色を指し、そこから転じて、桔梗の花そのものが紫色の衣をまとって美しく咲いている様子や、桔梗色に染められた高雅な衣服そのものを表現する季語となりました。古典的な優雅さと、秋の訪れを告げる寂涼感を併せ持つ美しい季語です。 ### この季語で詠むコツ 桔梗の花そのものの物理的な形を描写するだけでなく、その「色」がもたらす高貴さや、風に揺れる「衣」としての質感・情緒に注目することが大切です。平安朝の優雅な世界観を意識したり、秋の訪れによる涼しさや冷ややかさを「衣の軽さ」として、触覚などの身体感覚に落とし込んで詠むと、より深みのある句に仕上がります。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「秋風」「そよぐ」「冷ややか」といった、風や温度に関する表現。 「重ねる」「まとう」「裁つ」といった、衣類に関連する優美な動詞。 「仏」「堂」「古寺」などの、静寂や宗教的な香りのする言葉。

桔梗の衣」の俳句例 (3件)

桔梗の花に衣干すてふ秋の風
与謝蕪村【現代語訳】桔梗の花が美しく咲き誇るあたりに、高貴な衣を干しているという、いかにも風雅な秋の風が吹き渡っていることよ。【鑑賞】桔梗の気品ある青紫色から、平安時代の優雅な衣を想起し、そこに涼やかな秋風が通り抜けるという絵画的で雅やかな世界を見事に詠み上げています。
桔梗の衣をかろみ秋の風
加舎白雄【現代語訳】桔梗色に美しく染められた衣は軽やかで、吹き抜けていく秋の風がしみじみと涼しく心地よく感じられる。【鑑賞】「桔梗の衣」という雅な色彩と、初秋の風の軽快な手触りを調和させ、視覚と触覚の双方から秋の訪れの爽やかさを伝えています。
桔梗の衣のそよぎ仏たち
飯田蛇笏【現代語訳】お堂の静寂の中に、桔梗色の法衣をまとった高僧たちが立ち並び、その衣がかすかにそよいでいる。【鑑賞】桔梗の花の高貴な青紫色が、お寺の荘厳な空気感や仏教的な静寂と見事に重なり合っており、厳かで冷徹な秋の美を表現しています。

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