桂郎忌
autumn 行事

桂郎忌

けいろうき

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意味・由来

「桂郎忌(けいろうき)」は、俳人であり小説家でもあった石川桂郎(いしかわけいろう、1909–1975年)の命日である11月6日を指す、晩秋の季語です。 桂郎は本業として理髪業を営みながら、石田波郷らとともに俳誌『鶴』で活躍し、のちに『風来』を創刊・主宰しました。小説『剃刀日記』や句集『竹人生』などで知られ、下町の暮らしや職人としての矜持、持病と向き合う日常を、軽妙な俳諧味と温かな人間味を込めて描きました。その気さくで味わい深い人柄を偲び、晩秋の季語として親しまれています。

この季語で詠むコツ

石川桂郎自身の人生や作品に寄り添うモチーフを取り入れると、句に深みが生まれます。特に理髪具(鋏や剃刀、鏡など)や下町の路地、市井の人々の営み、冬隣の少し肌寒い空気感などがよく似合います。単なる追悼にとどまらず、桂郎の作品が持っていた「どこか飄々としたユーモア」や「日常の温もり」を意識して詠み込むと魅力的な一句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・道具・理髪関連:鋏、剃刀、鏡、白布、櫛、砥石 ・暮らし・街並み:路地、湯気、下町、古本、煙草、夕餉 ・季節感:秋深し、冬隣、枯葉、夕時雨、寒晴

桂郎忌」の俳句例 (3件)

桂郎忌鋏を研いでをりにけり
能村登四郎【現代語訳】桂郎忌の今日、静かに鋏を研いでいることだ。 【鑑賞】理髪師として生きた石川桂郎を偲び、職人の魂である鋏を手入れする姿を詠んだ一句。シャッシャッと砥石に当たる鋏の鋭い音が、晩秋の澄んだ空気に響き渡るような清冽さと、亡き友への深い敬慕が感じられます。
桂郎忌町に鏡の多きこと
石田勝彦【現代語訳】桂郎忌の日に街を歩いていると、理髪店などの鏡がやけに目に留まることよ。 【鑑賞】下町の街並みを歩きながら、ふと目に入る鏡の数々に桂郎の面影を重ねています。理髪店に並ぶ鏡が街の光や影を反射する情景を通して、市井に溶け込んでいた桂郎の気配を鮮やかに捉えた秀句です。
桂郎忌鋏鳴らして髪刈らる
鷹羽狩行【現代語訳】桂郎忌の日に、軽やかに鋏の音を鳴らされながら髪を刈ってもらっている。 【鑑賞】理髪店で散髪してもらうという日常の一コマを、桂郎忌に取り合わせた句。耳元でリズミカルに鳴る鋏の音そのものが、石川桂郎への最高の追悼であり、作品世界との交感となっています。

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