芥子漬製す
autumn 生活

芥子漬製す

からしづけせいす

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意味・由来

「芥子漬製す(からしづけせいす)」は、秋に収穫された小茄子(こなす)などを塩漬けにした後、粉芥子や麹、砂糖、醤油などを合わせて漬け込む、日本の伝統的な保存食作りの様子を表す季語です。秋の深まりとともに食卓を彩る芥子漬は、そのピリッとした辛味とほのかな甘みが魅力です。家庭ごとに異なる秘伝の味があり、台所に漂うからしのツンとした独特の香りや、冬支度を兼ねた丁寧な手仕事の風景は、秋の生活感を豊かに表現してくれます。

この季語で詠むコツ

からしの刺激的な香りや、漬け込む際の手つき、漬け樽を置く日陰の冷たさなど、五感を刺激する具体的な描写を取り入れると、生活のリアリティがぐっと増します。「製す」という能動的な動作に着目し、一連の丁寧な作業の中に、静かに流れる秋の時間や家族への愛情を投影するのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 五感・動作を表す言葉:「ツンと」「鼻に抜ける」「揉む」「樽」「小茄子」
  • 台所・生活感を表す言葉:「勝手口」「薄日」「秋深し」「夜寒(よさむ)」
  • 色彩・素材を表す言葉:「黄金(からしの色)」「深紫(茄子の色)」「塩」「麹」

芥子漬製す」の俳句例 (3件)

芥子漬や手際もやがて古妻に
長谷川かな女【現代語訳】芥子漬を作る手際が、いつの間にかすっかり手慣れたものになっている。私もすっかり古妻(長年連れ添った妻)になったのだなあとしみじみ思う。【鑑賞】手仕事の手際の良さに生活の歴史を感じつつ、少し自嘲気味でありながらも、家庭をしっかりと守ってきた自負と落ち着きが感じられる名句です。
芥子漬を製すや母の座を継ぎて
星野立子【現代語訳】母の後を継いで、私がこの家で芥子漬を作っている。かつて母が台所を仕切っていたその座を、今や私がしっかりと引き継いでいるのだという実感が湧いてくる。【鑑賞】代々受け継がれていく家庭の味と、主婦としての役割を受け継いだ著者の確かな生活の実感が、「芥子漬を製す」という具体的な作業を通して温かく、また厳かに表現されています。
芥子漬や親に似てゐる鼻の先
高浜虚子【現代語訳】芥子漬を口にして、ツンとする辛さに思わず鼻をひくつかせた。その鼻の先や表情が、ふと亡き親にそっくりだと気づくことだ。【鑑賞】からし特有の刺激によって引き起こされる無意識の身体的反応から、親子の強い血のつながりや、ふとした瞬間に思い出す親の面影をユーモラスかつ情愛深く活写しています。

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