鎌しめ
autumn 生活

鎌しめ

かましめ

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意味・由来

「鎌しめ(かましめ)」とは、秋の収穫作業(主に稲刈り)がすべて無事に終わった際、お世話になった農具である「鎌」をきれいに研いで清め、神棚や床の間に供えて収穫を感謝し、翌年の豊作を祈る伝統的な行事・習慣です。「鎌を締める(納める)」という意味からこの名があります。地域によっては、鎌に餅を供えたり、お神酒を捧げたりして、一年の労働を労うとともに、農閑期へと入る安堵感を分かち合いました。晩秋の農村の温かい暮らしぶりを象徴する、生活感あふれる季語です。

この季語で詠むコツ

稲刈りの激しい労働が終わり、静寂や安堵感が訪れる「秋の終わり」の空気感を表現するのがポイントです。刃物としての鎌の鋭さと、それを手入れして片付ける際の丁寧な所作、あるいは収穫を終えた田畑の広々とした寂しさなどを対比させると、暮らしの息遣いと季節の移ろいが際立ちます。単に道具を描くだけでなく、その背景にある「やり遂げた充実感」や「冬を迎える静けさ」を意識すると良いでしょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 道具や動作に関する言葉:「研ぐ」「油」「砥石(といし)」「納屋」「神棚」「磨く」
  • 情景や感情に関する言葉:「安堵」「夕日」「静けさ」「刈り跡」「乾いた風」「炉の火」「影」

鎌しめ」の俳句例 (3件)

鎌しめや畳にこぼす大豆の莢
渡辺水巴【現代語訳】収穫を感謝し、鎌を納めて祝う「鎌しめ」の日に、畳の上に大豆の入った莢がポロポロとこぼれ落ちている。 【鑑賞】農作業が一区切りつき、家の中に道具を持ち込んで整理している際の一コマ。畳の上に落ちた大豆の莢に、今年の豊かな収穫の余韻と、労働から解放された穏やかな日常の生活感が漂う秀句です。
鎌しめや障子にうつる杉の影
日野草城【現代語訳】鎌しめの行事を行う家の中で、ふと見ると、障子に外の杉の木の影が静かに映り込んでいる。 【鑑賞】秋の農作業が終わり、家の中に静寂が戻ってきた様子を美しく捉えています。外の杉の影が障子に投影される静かな光景は、激しい刈り入れの労働の後の、安らかな時間と晩秋の冷涼な空気を感じさせます。
鎌しめや炉に焚きすつる柴の屑
飯田蛇笏【現代語訳】鎌しめを祝う日、囲炉裏には役目を終えて余った柴の屑が、勢いよく燃やされている。 【鑑賞】刈り入れが終わり、道具を片付けると同時に、仕事場を掃き清めて集めた「柴の屑」を炉で燃やしている光景です。パチパチと燃える火の温もりと、一つの大きな作業をやり遂げたという農民の安堵感が、生活の灯りを通して力強く描かれています。

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