鎌はじめ
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鎌はじめ

かまはじめ

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意味・由来

「鎌はじめ(かまはじめ)」は、仲秋の季語です。実りの秋を迎え、いよいよ稲刈りを開始するにあたって、研ぎ澄ました鎌を使い始めることを指します。かつて農家にとって稲刈りは一年で最も重要な労働であり、鎌を新調したり、丁寧に砥石で研ぎ上げたりして、万全の準備で臨みました。単なる作業の開始というだけでなく、収穫への感謝と、これから始まる大仕事への決意が込められた、厳かで活気ある季語です。

この季語で詠むコツ

鎌はじめを詠む際は、農作業が始まる早朝の「澄んだ空気感」や「冷涼な気候」を意識すると効果的です。新しく研がれた鎌の金属的な光や、砥石で研ぐ音、朝露に濡れた稲穂など、視覚や聴覚、触覚といった五感を刺激する具体的なディテールを取り入れることで、秋の農村の清々しい緊張感がリアルに伝わってきます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 音や動作を促す言葉: 砥石(といし)、研ぐ、ひびく、鳴る
  • 朝の気配を表す言葉: 朝露、朝霧、山風、東雲(しののめ)、日の光
  • 色彩や質感: 青光り、白刃(しらは)、冷たし、研ぎ澄ます

鎌はじめ」の俳句例 (3件)

鎌はじめ日の光りこそ強からね
飯田蛇笏【現代語訳】稲刈りのために鎌を使い始めるこの朝、差し込む秋の太陽の光はまだそれほど強くはないが、一日の始まりを優しく照らしている。 【鑑賞】新しく研ぎ澄まされた鎌の鋭い刃と、まだ弱々しくも清々しい秋の朝の光の対比が、収穫という厳かな労働の始まりを美しく静かに捉えています。
鎌はじめ山おろしたつ露の中
松瀬青々【現代語訳】いよいよ稲刈りを始めるこの早朝、山から吹き下ろす冷たい風が立ち込める、深い朝露の中で鎌を使い始める。 【鑑賞】早朝のひんやりとした山の空気と、稲穂を瑞々しく濡らす露。農村の厳しいながらも美しい自然環境と、そこで汗を流す人間の力強さを感じさせる名句です。
鎌はじめ砥石のひびく朝霧に
村上霽月【現代語訳】稲刈りの作業を始めるにあたり、深い朝霧が立ち込める中で、鎌を研ぐ砥石の音が小気味よく響き渡っている。 【鑑賞】視界を遮る「朝霧」という静寂の中に、シュッ、シュッと響く「砥石の音」を重ねることで、これから始まる労働への緊張感と心地よい高揚感を鮮やかに描き出しています。

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