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「溽暑(じょくしょ)」とは、湿度が高く、蒸し風呂のようにじっとりと蒸し暑い夏の暑さを表す季語です。「溽」という漢字には「湿り気が多い」「蒸れる」という意味があり、単に気温が高いだけでなく、大気が水分を含んで体にまとわりつくような、独特の重苦しい暑さを指します。古くから中国の詩文などでも用いられてきた表現で、四方を海に囲まれ湿度の高い日本の過酷な夏を的確に言い表す言葉として、俳句でも深く親しまれています。
単に「暑くてたまらない」という主観を詠むのではなく、湿度の高さがもたらす具体的な生活のひとコマや、五感に訴えかける情景を切り取るのがコツです。たとえば、じっとりと汗ばむ肌の感触、湿気を含んで重くなったカーテン、空気が澱んだ路地の静けさなど、触覚や視覚を通して「重たい空気」を描き出すと、季語の持つ湿り気が際立ちます。あえて動きの少ない室内や、夕暮れ時の気だるい時間帯を切り取ると、溽暑特有の息苦しさや濃厚な大気を効果的に表現できます。
・暮らしや室内の言葉:畳、硝子戸、古書、団扇、廊下 ・身体感覚にまつわる言葉:首筋、素足、掌、寝返り、まどろみ ・情景や大気の言葉:夕立の気配、路地、重き雲、日陰、水気