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「鰯の黒漬(いわしのくろづけ)」とは、秋に獲れた新鮮な鰯(イワシ)を糠や塩、麹、あるいは魚醤油(いしる等)などに漬け込んで発酵・熟成させた伝統的な保存食のことです。特に北陸地方(能登や富山など)の郷土料理として知られ、漬け込む過程で鰯が黒ずんだ深い飴色や黒褐色になることからその名がつきました。秋の味覚である脂ののった鰯を冬や翌春まで保存するための生活の知恵であり、塩辛さと独特の濃厚な旨味・風味が特徴です。秋の暮らしの深まりと潮の香りを象徴する生活季語です。
「黒漬」という言葉が持つ、少し重みのある色彩感と発酵食ならではの鄙びた(ひなびた)味わいを活かすのがポイントです。壺や樽の底に沈む暗がり、晩秋の静けさ、素朴な食卓のぬくもり、あるいは酒の肴としての情景を描くと効果的です。単なる珍味としてではなく、過酷な冬を迎える海辺の暮らしや旅愁、秋の夜長のしみじみとした時間の流れと響き合わせるように詠んでみましょう。
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