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「肥前鴉(ひぜんがらす)」とは、カラス科のカササギ(鵲)の地方名・異称で、秋の季語として親しまれています。文禄・慶長の役(朝鮮出兵)の際、肥前国(現在の佐賀県・長崎県)の領主であった鍋島直茂らが朝鮮半島から持ち帰り、佐賀平野を中心に繁殖・定着したと伝えられています。そのため「佐賀鴉」「朝鮮鴉」「カチガラス」とも呼ばれます。羽の一部が白く腹部も白いため、全身が黒い一般的なカラスとは異なり、コントラストの美しいツートンカラーが特徴です。豊穣の秋を迎えた肥前平野の空や田園風景とともに愛されてきました。
肥前鴉を詠む際は、一般的なカラスの不吉さや野暮ったさとは一線を画す「白と黒の鮮やかな羽色」や、「カチカチ」という独特の甲高い鳴き声、そして佐賀平野(有明海沿岸)特有の風土を意識することがポイントです。稲刈りの終わった広大な刈田、青く澄み渡る秋晴れの空、あるいは実りの秋の豊かな田園風景など、背景となる色彩や広がりを対比させると、この鳥ならではの存在感が際立ちます。
・地理・風土に関する言葉:佐賀野、筑紫、有明、クリーク、干拓地 ・秋の景物:刈田(かりた)、落穂、芒(すすき)、秋日和、秋晴、新米 ・動態・色彩:白黒、カチカチと鳴く、低く翔ぶ、群れ遊ぶ
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