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「雛の灯(ひなのひ)」は、雛壇の両脇に置かれた雪洞(ぼんぼり)や蝋燭に灯される明かりのことです。童謡にもあるように、雛祭りの夜には欠かせない風情ある光景を指します。昼間の華やかで賑やかな雰囲気とは一転し、薄暗い部屋の中でぼんぼりの柔らかい光に照らし出される雛人形や調度品は、どこか神秘的で雅やかな趣を漂わせます。古くから、女の子の健やかな成長と幸福を祈る温かい光として親しまれてきた春の季語です。
雛の灯がもたらす「陰影」や「夜の静けさ」に目を向けるのがポイントです。ほのかな光に浮かび上がる人形の繊細な表情や、金屏風に揺れる影、静まり返った座敷の空気感を切り取ると詩情が深まります。また、宴が終わった後の余韻、雛壇のそばで眠る幼子の寝顔、あるいはかつてを懐かしむ大人の心境など、人物の気配や心情を重ね合わせることで、優しく温もりのある一句に仕上がります。
・道具・調度:雪洞(ぼんぼり)、金屏風、緋毛氈(ひもうせん)、盃 ・様子・動き:かすか、揺らぐ、仄か(ほのか)、照らす、灯影(ほかげ) ・人物・時間:幼子、寝息、母、宵(よい)、夜半(やはん)