初猟
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初猟

はつりょう

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意味・由来

「初猟(はつりょう)」は、その年に狩猟が解禁されて最初に行う猟を指す季語です。日本では古くから山林での狩猟が生業や儀礼として重んじられてきました。一般的には十一月十五日の狩猟解禁日を指し、暦の上では初冬にあたりますが、山野にはまだ晩秋の気配が色濃く残っています。自然への感謝と恐れ、そしてこれから始まる冬の厳しい狩猟期への引き締まった気持ちが込められた、特別な一日の緊張感を象徴する季語です。

この季語で詠むコツ

獲物を仕留める劇的な瞬間だけでなく、その前後にある「静寂」と「躍動」のコントラストを意識すると、句に奥行きが生まれます。猟が始まる直前の張り詰めた空気、冷たい銃身の手触り、あるいは山を駆ける猟犬の息遣いや、静まり返った森に響く最初の一発の銃声など、五感を刺激する具体的なディテールを描き出すのがコツです。

相性のいい言葉・取り合わせ

「猟犬(りょうけん)」「銃身(じゅうしん)」「弾丸(たま)」「朝霧(あさぎり)」「尾根(おね)」「冷気(れいき)」「乾いた風」など、山の厳しい寒さや、狩猟に用いる道具、犬などの相棒を表す言葉と取り合わせることで、初猟の独特な緊張感がより引き立ちます。

初猟」の俳句例 (3件)

初猟の犬よりさきに躍り出づ
山口青邨【現代語訳】待ちに待った初猟の朝、興奮して駆け出す猟犬よりもさらに先を争うようにして、自分自身が勢いよく野山へと飛び出してゆくのだ。 【鑑賞】待ち焦がれた狩猟解禁日の高揚感が、これ以上ないほど活き活きと表現されています。「犬より先に」というユーモラスかつ躍動感あふれる描写から、山野を駆ける作者の若々しいエネルギーと喜びがストレートに伝わってきます。
初猟の銃音にひらく山路かな
飯田蛇笏【現代語訳】静まり返っていた山の中に、初猟の鋭い銃声が響き渡った。その一撃の音によって、それまで閉ざされていたかのような山路が、一気に目の前へ開けたように感じられることだ。 【鑑賞】一発の銃声が、冷たく張り詰めた山の空気を切り裂く瞬間を鋭く捉えた名句です。「山路がひらく」という表現により、銃声の余韻が山々にこだまし、視界や意識がパッと広がっていく感覚が見事に描き出されています。
初猟の弾丸をこむるひそかさよ
大野林火【現代語訳】初猟の朝、冷え切った空気の中で銃に弾丸を装填する、その指先と心の、ひっそりとした深い静けさと緊張感であることよ。 【鑑賞】動的な狩猟の場面ではなく、その直前に行われる静かな準備段階に焦点を当てています。弾丸を込めるという厳粛な行為の中に、獲物に対峙する猟師の強い覚悟と、息を潜めるような心の静寂が凝縮されています。

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