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「春寒し(はるさむし)」は、立春が過ぎて暦の上では春を迎えたにもかかわらず、なお残る寒さや、ぶり返す寒さを表す季語です。「春寒(はるさむ)」「料峭(りょうしょう)」などとも呼ばれます。冬の凍てつくような底冷えとは異なり、日差しが柔らかくなり、草木の芽吹きなど春の兆しが見え始めているからこそ、肌に触れる冷たさがひときわ身に染みるという、季節の境目ならではの繊細な感覚を含んでいます。
単に「まだ寒い」という事実を詠むのではなく、「春の明るさや気配」と「肌寒さ」の対比を描くのが上達の秘訣です。例えば、部屋に差し込む光の眩しさや、脱ぎかけた上着、膨らみ始めた花の蕾などを捉えることで、冬の寒さとの違いが際立ちます。触覚としての冷たさと、視覚としての春の華やぎを取り合わせると、奥行きのある一句になります。
・光、日差し、青空(無季/春の明るさとの対比) ・机、窓辺、椅子、本(無季/日常の静かな情景) ・薄着、襟、手(無季/寒さを実感する身体の部位) ・芽、蕾、水温む(春の季語・関連語/春の兆しを添える語)