花園踊

花園踊

はなぞのおどり

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意味・由来\n「花園踊(はなぞのおどり)」は、京都市右京区花園にある古刹・法金剛院(ほうこんごういん)などで、初秋の地蔵盆(旧暦七月二十四日前後)の夜に行われる念仏踊り・盆踊りの一種です。法金剛院は平安末期に鳥羽法皇の皇后・待賢門院が建立した極楽浄土を模した寺で、蓮の名所としても知られます。この地で行われる踊りは、先祖供養や無病息災を祈る敬虔な思いと、雅やかな京情緒が融合した風流踊りの名残を伝えています。秋の夜の静けさのなかに鉦や太鼓が響き、優美で哀感漂う踊りが奉納されます。\n\n### この季語で詠むコツ\n「花園」という地名が醸し出す雅やかで美しい響きと、季節が夏から秋へと移ろう涼気・哀愁感を捉えるのがポイントです。単に賑やかな夏祭りとして捉えるのではなく、夜更けの冷気、草の葉に宿る夜露、秋の月影、ともる提灯の灯など、静寂や情感ある情景と取り合わせることで、この季語特有の幽玄な深みが立ち上がります。踊りの輪の動きだけでなく、踊りを遠くから見つめる視線や、帰路の余韻に焦点を当てるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 視覚の言葉:提灯、篝火(かがりび)、古刹の闇、影法師、秋の月、夜露\n- 聴覚の言葉:鉦(かね)、太鼓、遠音(とおね)、虫の声、下駄の音\n- 時・情景の言葉:更くる夜、夜風、冷やか、帰り道、袖

花園踊」の俳句例 (3件)

花園の踊や宵の露しぐれ
伊藤涼菟【現代語訳】花園踊が行われている宵の口、まるで時雨のように夜露がしっとりと降りかかってくることだ。\n【鑑賞】蕉門の重鎮・涼菟の句。花園踊の華やかな熱気と、降りかかる秋の冷たい夜露の対比が鮮やかです。「露しぐれ」という言葉によって、初秋の湿り気とひんやりとした大気が美しく表現されています。
花園の踊も遠きあかりかな
高井几董【現代語訳】花園踊の催されている場所が、遠くにぽつりと見える灯りとして感じられる夜景であることよ。\n【鑑賞】蕪村門下の高弟・几董の一句。踊りの熱狂の中心に身を置くのではなく、遠く離れた夜の闇の中から眺めています。遠景の灯りと幽かな囃子の気配が、秋の夜の寂寥感をかえって引き立てています。
花園の踊見に出て戻りけり
炭太祇【現代語訳】花園踊を見ようと外へ出かけたものの、少し眺めただけでそのまま引き返してきたことだ。\n【鑑賞】太祇らしい軽妙で脱力感のある日常の一幕を描いた句です。わざわざ出かけたものの、人の多さや秋風の肌寒さに促されたのか、あっさりと戻ってきた作者の素直な行動が、淡々とした余情を生んでいます。

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