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「花の撓(はなのとう)」とは、初夏から夏にかけて、木々の花が枝もたわわに咲きこぼれる様子を表す美しい季語です。「撓(とう)」とは「撓む(たわむ)」ことであり、枝が咲き満ちた花の重みによって弓なりにしなだれている情景を指します。春の桜のような爛漫とした華やかさとは趣が異なり、青葉がぐんぐんと茂る初夏の山野で、卯の花(空木の花)や椎の花などが枝をしならせるほど力強く、豊かに咲き誇る生命力を讃えた言葉です。
単に花が咲いていることだけでなく、「花の重みで枝がしなやかに曲がっている」という立体的な量感や動きを捉えるのが一番のコツです。初夏の風を受けて大きく揺れる様子や、緑濃い木立の中でそこだけが白く垂れ下がっているコントラストを描くと、情景が鮮やかに浮かび上がります。花の種類を特定しすぎず、山道や川沿いの風景と組み合わせることで、初夏のみずみずしい空気感を詠み込むことができます。
・水辺の情景(清流、渓谷、岩肌、水音、飛沫) ・光や風(青嵐、木漏れ日、夏の朝、日射し) ・様子や動作(しなだる、重たげ、揺らぐ、白妙、仰ぐ)
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