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袴能とは、絢爛豪華な能装束を着ず、能面もつけずに、紋付羽織に袴姿の軽装で舞う能のことです。装束を重ねて面をつけると酷暑の舞台では耐え難い暑さとなるため、主に夏に行われたことから夏の季語となりました。面を用いない直面(ひためん)で演じられるため、演者の生身の表情や息遣い、研ぎ澄まされた所作の美しさがそのまま現れ、簡素でありながらも非常に引き締まった芸の深みを味わうことができます。
装束を省いたことによる「涼やかさ」「潔さ」と、面がないからこそ際立つ「役者の真剣な眼差し」「緊迫感」の対比を描くのがポイントです。また、夏の舞台ならではの要素として、演者の肌に光る汗、足拍子の響き、周囲の蝉の声や吹き抜ける涼風などを取り合わせることで、五感に訴える鮮やかな情景が立ち現れます。格式ばらない軽やかさの中に宿る気迫を捉えましょう。
・白木舞台(しらきぶたい)、板敷(いたじき)、笛(ふえ)、鼓(つづみ) ・直面(ひためん)、眼差し(まなざし)、汗(あせ)、扇(おうぎ) ・青簾(あおすだれ)、蝉時雨(せみしぐれ)、風渡る(かぜわたる)、炎天(えんてん)