言水忌
autumn 行事

言水忌

ごんすいき

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意味・由来

言水忌(ごんすいき)とは、江戸時代前期の俳人・池西言水(いけにし ごんすい、1650〜1722)の陰暦八月十三日の忌日を偲ぶ仲秋の季語です。 言水は「木枯(凩)に岩吹きとがる杉間かな」「凩の果はみな音なかりけり」など、風や木枯を詠んだ名句を多く残し、世に「木枯の言水」と称えられました。芭蕉と同時代に活躍し、京都の俳壇を牽引した指導者でもあります。秋も深まりゆく風の冷たさや、澄み渡る気配のなかに、彼の洗練された詩魂を追慕する季語です。

この季語で詠むコツ

「木枯の言水」の異名にちなみ、やはり「風」や「空の澄み具合」「木々の揺らぎ」などを取り合わせるのが王道です。仲秋の季語であるため、真冬の木枯そのものを吹かせるのではなく、「やがて訪れる木枯を予感させるような秋風」や「静けさのなかに感じるかすかな風音」を捉えると、言水忌ならではの詩情が立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風にまつわる言葉(秋風、はやて、梢の音、そよぎ) ・色彩・光の言葉(青空、澄む、夕暮れ、月影) ・植物の言葉(杉木立、薄、葛の花、松風)

言水忌」の俳句例 (3件)

言水忌木枯を待つ日和かな
井上井月【現代語訳】言水の忌日であるが、今日は穏やかに晴れており、言水ゆかりの木枯を心待ちにするような日和であることだ。 【鑑賞】「木枯の言水」と称された俳人の忌日に、あえて風の吹かない穏やかな秋晴れを対比させました。静かな青空を見上げながら、やがて吹きすさぶ木枯の季節へと想いを馳せる、井月らしい粋で敬意に満ちた追悼の一句です。
言水忌木枯まだし空青し
詠み人知らず【現代語訳】今日は言水忌であるが、木枯が吹くにはまだ早く、空はどこまでも青く澄み渡っている。 【鑑賞】澄み切った秋空の鮮やかな青さと、言水の象徴である「木枯」の気配を対比させた一句です。まだ木枯には早い秋の明るさのなかに、先達の面影を爽やかに描き出しています。
言水忌葛咲きみだれ風の吹く
長谷川かな女【現代語訳】言水忌の今日、葛の花が咲き乱れ、そこへさっと秋風が吹き抜けていく。 【鑑賞】葛の花の生命感あふれる情景に風を吹き通すことで、言水忌の季節感を美しく捉えています。吹き寄せる風の動きに、風を愛した言水の魂が重なるような情感豊かな名句です。

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