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「御物を払ひ拭ふ(ごもつをはらいのごう)」は、秋の季語で、宮中において伝来の宝物や調度品、御装束などを蔵から取り出し、風を通して塵を払い清める伝統儀礼(御物払拭)を指します。湿気の多かった夏が過ぎ、空気がからりと澄み渡る初秋から仲秋にかけて行われました。単なる清掃や虫干し(曝涼)にとどまらず、皇室の重宝を大切に守り継いできた雅びやかで格式の高い年中行事としての歴史と趣を持っています。
文字数が長く雅語的な響きを持つため、五七五のリズムに組み込む際は「御物払ふ」と縮めて使われることも多い季語です。詠む際は、宮中の静寂、御簾(みす)の奥の仄暗い空間、宝物から立ち上る古びた絹や墨の匂い、そして吹き抜ける爽快な「秋風」や「澄んだ秋の日差し」との対比を意識すると、王朝文化の幽玄な美しさを効果的に表現できます。
・空間・道具を表す語:御簾(みす)、几帳(きちょう)、紫宸殿、唐草、古絹 ・自然・感覚を表す語:秋風、秋晴、うすづく(色づく)、清ら、静寂、日の光
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