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月蝕(げっしょく)とは、太陽・地球・月が一直線に並び、地球の影に月が入り込むことで、月の一部または全部が暗く覆われる天文現象です。俳句において「月」は澄み渡る秋の季語であることから、月蝕も秋の季語として分類されています。満月が次第に欠け、やがて赤銅色(しゃくどういろ)の妖しくも美しい光へと移ろいゆく様は、古くから人々に強い神秘性と畏怖の念を抱かせてきました。秋の冴えた夜気の中で繰り広げられる、壮大な宇宙のドラマを象徴する季語です。
月蝕を詠む際は、単に天体の変化を描写するだけでなく、月が翳るにつれて地上に訪れる「急激な冷気」「深まる静寂」「薄暗さ」といった周囲の空気感の変化を五感で捉えることがポイントです。遥かな天空の異変と、地上にある自分の身体感覚(吐息や手足の冷え、窓ガラスに触れる指など)や身近な風景を対比させることで、広大なスケール感と生々しい生活実感が両立した深みのある一句になります。
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