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「冬を隣る(ふゆをとなる)」は晩秋の季語で、名詞形の「冬隣(ふゆどなり)」としても非常によく使われます。暦の上でも肌感覚でも秋が深まり、まるで隣の部屋に冬が引っ越してきたかのように、すぐそこまで冬の冷気や気配が迫っている情景を表します。寒々とした晩秋の寂寥感だけでなく、これから訪れる本格的な寒さに備える人々の暮らしの温もりや、自然の微細な変化を親しみと実感をもって捉える日本情緒あふれる美しい季語です。
単に「寒くなってきた」という温度変化を詠むのではなく、「冬がすぐ隣に佇んでいる気配」を五感で捉えて表現するのがポイントです。例えば、日差しの傾きの早さ、朝夕の冷気、肌に触れる湯の温かさ、湯気、厚手の衣服を取り出す動作など、日常のささやかな変化を取り合わせると実感が湧きます。擬人化のような親密さを含む季語なので、静けさや切なさの中にもどこか暮らしのぬくもりを漂わせると詩情が深まります。
・生活の温もりを感じさせるもの(湯気、煮炊き、灯火、お茶、羽織、靴下) ・日差しの変化や視覚的なもの(影法師、夕日、大根の葉、庭石) ・五感に訴える動詞(煮る、梳く、冷める、羽織る、暮るる)
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