盆路
autumn 行事

盆路

ぼんみち

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意味・由来

「盆路(ぼんみち・盆道)」とは、お盆の時期に、ご先祖様の霊(精霊)を迎えたり送ったりするために行き来する道、あるいは墓地へと続く道を指す季語です。お盆を迎えるにあたり、人々は道に生い茂った草を刈り、きれいに整えて精霊を迎える準備をします。このように整えられた道や、お盆ならではの独特な懐かしさと厳かさが漂う道を「盆路」と呼び、物理的な道だけでなく、あの世とこの世をつなぐ精神的な通路としての意味合いも含んでいます。

この季語で詠むコツ

盆路を詠む際は、お盆の時期特有の「静けさ」「寂しさ」「懐かしさ」といった情緒を、具体的な風景描写を通して表現するのがコツです。例えば、草を刈ったばかりの青臭い匂い、道端の草葉に光る朝露、夕暮れ時の薄暗がりなど、五感を刺激する細部を描写することで、読者の心に深く響く情景を作り出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色彩・光: ともし火、月夜、夕闇、灯籠、露の白さ
  • 動作: 刈る、譲る、灯す、送る、歩む
  • 名詞: 草むら、野辺、ふるさと、影

盆路」の俳句例 (3件)

盆道や僧にゆづりし草の露
村上鬼城【現代語訳】お盆の準備としてきれいに草が刈られた道を歩いていると、向こうから檀家を回るお坊様がやってこられた。道を譲るために草むらへと一歩避けると、そこには美しい朝露が宿っていることだ。 【鑑賞】お盆の時期の清らかな一瞬を切り取った句です。狭い盆道で静かに道を譲り合うという日本的な礼儀作法と、足元の草にきらめく露の対比が、お盆特有の厳かで澄み切った空気を象徴しています。
盆道や草の中なる石の数
正岡子規【現代語訳】お盆のために草が刈り払われた道を歩いていくと、それまで草に隠れて見えなかった路傍の石が、数多く姿を現しているのが見える。 【鑑賞】草が刈り整えられた盆路の様子を、「石の数」という極めて具体的かつ客観的な視点から写生した子規らしい名句です。特別な行事を前にして、世界がすっきりと整えられたような、清々しい緊張感が伝わってきます。
盆路や雨のふる日のともしびは
久保田万太郎【現代語訳】雨がしとしとと降りしきるお盆の夜の道。そこに灯る迎え火や提灯の明かりは、雨粒ににじんで、いっそう哀愁を帯びて感じられることよ。 【鑑賞】万太郎ならではの下町情緒と哀愁が濃く漂う一句です。「雨」と「ともしび」という対比が、現世に帰ってくる精霊たちの儚さと、彼らを温かく迎える生者の情愛を幻想的に描き出しています。

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