青薬

青薬

あおぐすり

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意味・由来

「青薬(あおぐすり)」とは、蓼(たで)などの薬草の青葉をすりつぶして作った、緑色の外用生薬のことです。主に秋の季語として扱われます。古くから民間療法として親しまれ、虫刺されや切り傷、擦り傷、腫れ物などにひんやりとした青い薬汁を塗って手当てをしました。植物の瑞々しい生命力をそのまま日々の暮らしの養生に取り入れる、素朴で温かみのある生活の知恵が込められた季語です。

この季語で詠むコツ

青薬を詠む際は、すり鉢で薬草をすりつぶす音や立ちのぼる独特の青臭い香り、肌に乗せた瞬間の「ひやり」とした感触など、五感(嗅覚・触覚・聴覚)を刺激する描写を意識すると情景が鮮やかに立ち上がります。また、野仕事の疲れを癒やすひとときや、家族の手当てをする優しさ、初秋の少し涼しくなり始めた夕暮れ時の空気感などと組み合わせることで、ノスタルジックで情緒豊かな句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・日常の動作や道具:すり鉢、乳鉢、指先、手、縁側、日暮れ ・感覚・質感を表す言葉:ひやりと、青き匂ひ、痛手、疵(きず)、冷たき ・秋の自然景:秋風、夕暮れ、虫の声、暮色、野良帰り

青薬」の俳句例 (3件)

青薬や指の疵にも秋の風
石田波郷【現代語訳】指の小さな切り傷に青薬を塗っていると、そこへ秋の風がひんやりと吹き抜けていく。 【鑑賞】薬を塗った傷口の染みるような冷たさと、肌を撫でる秋風の涼しさが重なり合っています。身体の小さな痛覚を通して季節の深まりを繊細に捉えています。
青薬すりたる鉢の匂ひけり
詠み人知らず【現代語訳】青薬をすり潰した後のすり鉢から、薬草の青々とした匂いが立ちのぼっている。 【鑑賞】すり終わった後の器に残る「香り」に焦点を当てることで、青薬の持つ瑞々しい草の気配と、作業が終わった後の静けさを余韻豊かに描き出しています。
青薬を塗るや日暮の蚊帳の外
正岡子規【現代語訳】日が暮れて蚊帳を吊ったその外で、擦り傷か虫刺されに青薬を塗っていることだ。 【鑑賞】薄暗くなり始めた部屋の中で、蚊帳の白さと青薬の深緑色のコントラストが鮮やかに浮かび上がります。一日の終わりを告げる静かな時間と、生活の素朴な営みが巧みに捉えられた名句です。

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