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「秋しくの花(あきしくのはな)」とは、シュウカイドウ科の多年草である「秋海棠(しゅうかいどう)」の雅称・別称です。初秋のころ、日陰や湿り気のある庭の片隅などに、淡い紅色の可憐な花がややうつむき加減に咲きます。秋が深まるにつれて花びらが地面にしっとりと散り敷く情景や、秋の気配を敷き詰めるように静かに咲き広がる様子からこの名で呼ばれるようになりました。中国原産で、日本には江戸時代初期に渡来し、その風情ある佇まいから文人や俳人たちに深く愛されてきました。
「秋しくの花」は、華やかさよりも、どこか物寂しく清楚でしっとりとした情緒を詠むのに適しています。半日陰の苔むした庭壇、雨上がりの露をたたえた姿、土や石の上に淡い紅の花びらが散り落ちている様など、視覚的な静けさや陰影に着目すると句に深みが生まれます。また、音の響きが優雅で柔らかいため、五七五の調べを流麗に整えたいときにも効果的です。
・天候・自然現象:秋雨、霧、露、夕暮れ、日陰、木漏れ日 ・場所・情景:苔、庭石、竹垣、古寺、水辺、軒端 ・色・状態:うす紅、淡し、うつむく、零る(こぼる)、濡る(ぬる)
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