秋の社日

秋の社日

あきのしゃにち

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意味・由来

「秋の社日(あきのしゃにち)」とは、秋分に最も近い「戊(つちのえ)」の日のことです。「秋社(しゅうしゃ・あきしゃ)」とも呼ばれます。古代中国の土地神を祀る習俗が日本に伝わり、日本古来の産土神(うぶすながみ)信仰と結びつきました。春の社日が「豊作を祈る日」であるのに対し、秋の社日は実りの季節を迎えて「収穫を感謝する日」とされています。神社にお参りをし、新米や初穂、酒や餅などを神前に供えて祝う、農村の大切な節目の一日です。

この季語で詠むコツ

豊穣への感謝と、秋の穏やかな日常風景をすくい取ることがポイントです。春社のような華やかな賑わいとは異なり、秋社はどこか落ち着いた静けさや、満ち足りた温もりが漂います。神社境内の様子だけでなく、お供えの餅をつく音、新酒の香り、日当たりの良い畑や村里の佇まいなど、生活感のある情景と組み合わせると、この季語の持つ素朴な味わいが際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・神社・信仰の言葉:鳥居、祠、御幣、社叢(しゃそう)、鐘、鈴 ・収穫・食の言葉:新米、餅、新酒、初穂、藁 ・里山の風景:山畑、村雀、日和、稲架(はざ)、夕暮れ

秋の社日」の俳句例 (3件)

秋社や日あたりのよき山畑
与謝蕪村【現代語訳】秋の社日の日、山あいの段々畑には心地よい秋の日差しが柔らかく降り注いでいる。 【鑑賞】実りの秋を迎えた山里の長閑な情景を詠んだ句です。社日の持つ感謝の心と、豊かな日差しを浴びる畑の穏やかさが調和し、秋の豊かさがしみじみと伝わってきます。
社日とて餅つく音の隣かな
正岡子規【現代語訳】今日は秋の社日ということで、お供えの餅をつく威勢のよい音が隣の家から聞こえてくる。 【鑑賞】社日餅(社日に神前へ供える餅)を作る日常の生活音を捉えています。特別な神事の緊張感よりも、庶民が親しむ年中行事の温かい賑わいが音を通して生き生きと表現されています。
烏よぶ秋の社日や村雀
小林一茶【現代語訳】秋の社日の神賑わいの中、カラスが鳴いて仲間を呼ぶかのように、村の雀たちも集まって騒いでいる。 【鑑賞】収穫を祝う社日の境内や里に、こぼれた米や供物を求めて鳥たちが集まる様子を一茶らしい親しみやすい視点で描いています。秋の平和で活気ある村の雰囲気が浮かびます。

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