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「秋のセル」とは、羊毛の綾織物(サージ/セル)で仕立てた単衣(ひとえ)の着物や衣服を着る、初秋の生活季語です。セルは軽くて丈夫、程よい保温性があるため、夏の薄物から冬の綿入れや袷(あわせ)に移る端境期である初秋から仲秋にかけて重宝されました。朝夕の肌寒さをふと感じる時期に袖を通すため、季節の移ろいや人肌恋しさ、どこか哀愁を帯びた情緒を醸し出します。
布地のさらりとしつつも微かに温かい「手触り」や「重み」、袖を通した瞬間の「肌感覚」を意識して詠むのがポイントです。また、夏の賑やかさが去ったあとの少し寂しい心境や、誰かを思う情感、日常のふとした動作(外出の支度、箪笥から取り出す様子など)と結びつけると、季語の持つ繊細な風情がぐっと引き立ちます。
・触覚・動作:袖を通す、羽織る、手ざわり、ほぐれる、たたむ ・情景・時間:夕暮れ、黄昏、灯影、街の風、露、夜寒 ・心情・境遇:人恋し、病みあがり、独り、久しき友、古着
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