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「秋の㡡(あきのかや)」とは、立秋を過ぎてもなお吊られたままになっている蚊帳(かや)のことです。「残る蚊帳」「名残の蚊帳」とも呼ばれます。本来は夏の害虫である蚊を防ぐための道具ですが、秋風が吹き始める頃になっても片付けられずに残っている様子には、過ぎ去った夏への名残惜しさや、秋の夜のわびしさが漂います。また、蚊除けとしてだけでなく、秋口の冷え込み(夜寒)をやわらげる防寒や、孤独感を包み込む cocoon(繭)のような役割としても捉えられます。
夏の蚊帳が持つ「涼しさ」「賑やかさ」「安心感」に対して、「秋の蚊帳」は「肌寒さ」「孤独」「寂寥感」「季節の推移」を表現するのに適しています。蚊帳越しに見える月明かりや灯火の淡さ、蚊帳を通り抜ける夜風の冷たさ、一人で寝転ぶ空間の広さや寒々しさに着目すると、秋ならではの風情を描き出すことができます。
・視覚:灯(ともしび)、月影、影法師、青き、薄墨 ・触覚・感覚:夜寒(よざむ)、冷気、風、ひとり寝、やすらぎ ・心情・動作:名残、片寄す、吊る、引き寄せる、目覚む
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