茜草

茜草

あかね

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意味・由来

「茜草(あかね)」は、山野に自生するアカネ科のつる性多年草です。古くからその根が美しい赤色の染料として用いられ、夕焼け空を指す「茜色」の語源にもなりました。秋になると、黄緑色の非常に小さく目立たない花を咲かせ、やがて黒い実を結びます。古今集や万葉集では「あかねさす」という枕詞でおなじみですが、俳句の季語としては秋の野草としての素朴な風情や、根に秘められた鮮烈な赤、秋の夕暮れの哀愁と結びついて詠まれることが多い季語です。

この季語で詠むコツ

茜草そのものは非常に素朴で目立たない植物であるため、見た目そのものの描写だけでは地味になりがちです。そのため、「根に赤い染料を秘めている」という特徴や、夕日の情景、あるいは草むらの中でのつるの絡まり具合などに着目すると深みが出ます。「あかね」という音の持つ優しさや、秋の夕景の切なさを対比・連想させて詠むと、詩情豊かな句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 夕日・夕暮れ・黄昏(茜色に染まる空との情緒的な響き合い)
  • 根・蔓(つる)・野道(植物の生命力や自生する野の情景)
  • 染める・掘る(茜染めや染料としての人の営み)

茜草」の俳句例 (3件)

茜掘る女ばかりや夕日影
与謝蕪村【現代語訳】染料にする茜の根を掘っているのは女たちばかりであり、その姿に夕日が赤々と照り映えている。 【鑑賞】茜の根を掘る農村の女性たちの労働風景を、絵画的な構図で切り取った蕪村らしい名句です。傾いた秋の夕日を浴びて浮かび上がる女たちの姿と、掘り出される茜の根の赤さが二重に重なり、夕暮れの叙情を際立たせています。
茜草や夕日の色を根にこめて
正岡子規【現代語訳】茜草よ、まるで沈みゆく夕日の美しさをその根の中にぎゅっと閉じ込めているかのようだ。 【鑑賞】茜草の根から採れる鮮やかな赤色染料と、秋の夕暮れの空の「茜色」を見事に取り合わせた一句です。地味な草姿の地下深くに夕日の輝きが眠っているという着想が非常に詩的で、子規の豊かな感性が光っています。
茜草の蔓引けば根のあらはるる
阿部みどり女【現代語訳】茜草の長く伸びたつるを引っ張ると、土の中からあの赤みを帯びた根が姿を現した。 【鑑賞】山野での写生に基づいた、素朴ながらも発見の喜びに満ちた句です。地表のつるを手繰り寄せる動作から、地中に潜む鮮烈な根が現れる瞬間までの動線が生き生きと描かれており、茜草の植物としての実感が伝わってきます。

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