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「油桐の実(あぶらぎりのみ)」は、トウダイグサ科の落葉高木「油桐」が秋に結ぶ果実のことで、仲秋から晩秋の季語です。油桐は初夏に白く美しい花を咲かせますが、秋になると直径数センチの丸い卵形の実をたわわに実らせます。種子からは良質な乾性油(桐油=とうゆ)が採れ、かつては和傘や雨合羽の防水油、塗料、灯火用として人々の暮らしに重宝されました。青々とした硬い実がやがて黒褐色に熟し、重そうに枝からぶら下がる姿や、地面に落ちる様子に秋の深まりを感じさせます。
油桐の実は、表面につやがあり、ずっしりとした重量感があるのが特徴です。そのため「重さ」「硬さ」「艶」といった触覚・視覚的な質感を捉えると実感が際立ちます。また、かつて油を採るために山里や農村の近くに植林された背景があるため、杣道(そまみち)や山里、古びた石垣、日暮れの光といった素朴で静かな秋の情景と取り合わせると、風情豊かな一句に仕上がります。
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