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「油照(あぶらでり・あぶらてり)」とは、風が全くなく、空一面に薄雲が広がっているにもかかわらず、まるで油を注いだかのようにじっとりと熱気がまとわりつき、照りつける厳しい暑さのことを指します。直射日光がギラギラと照る「炎天」とは異なり、高い湿度と熱気が逃げ場なく籠もり、身体中がべたつくような息苦しい蒸し暑さを表現した夏の実感あふれる季語です。
「暑くてたまらない」といった感情を直接言葉にするのではなく、視覚や触覚、嗅覚などの五感を使って情景を描き出すのがコツです。例えば、熱を帯びたコンクリートや鉄の匂い、皮膚に滲み出る汗の重さ、遠くの景色が陽炎のように澱む様子、人のだるそうな仕草などを具体的に切り取ると、この季語特有の粘りつくような暑さが鮮やかに読者へ伝わります。
・日常の事物(無季):アスファルト、鉄の柵、路地、坂道、信号待ち、無風、午後 ・身体や動作(夏・無季):額の汗、だるき腕、立ちくらみ、溜息、濡れし首筋
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