筑紫龍胆

筑紫龍胆

つくしりんどう

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意味・由来\n筑紫龍胆(つくしりんどう)は、リンドウ科の多年草で、九州の山地(特に阿蘇山、久住山、霧島山などの高原やススキ原)に自生するリンドウの一種です。本州で見られる一般的なリンドウに比べ、花冠の内側に特徴的な緑褐色の斑点が多くあり、花びらが力強く開く傾向があります。初秋から晩秋にかけて、九州の雄大なカルデラや草原の乾いた風の中で、ひときわ目を引く冴えた青紫色の花を天に向けて咲かせます。その清楚でありながら凛とした立ち姿から、秋の九州を旅する俳人たちに深く愛されてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に「龍胆」とするのではなく「筑紫」と冠することで、火の国・九州の広大な山野や独特の風土が強く立ち現れます。阿蘇の噴煙、雄大なカルデラ、見渡す限りの草千里、秋の澄み渡る大気など、スケールの大きな情景と取り合わせるのが効果的です。また、足元に咲く鮮烈な青紫色の小さき命と、どこまでも広がる山稜や秋空の対比を意識すると、映像的で旅情豊かな奥行きのある句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 地理・風土:阿蘇、久住、草千里、火口、カルデラ、霧島\n- 自然現象:噴煙、秋風、草紅葉、澄み渡る空、日ざし\n- 色彩・質感:冴ゆる青、濃紫、乾く、仰ぐ、ひそか

筑紫龍胆」の俳句例 (3件)

筑紫龍胆阿蘇の噴煙仰ぎけり
水原秋櫻子【現代語訳】筑紫龍胆の花が、雄大に立ちのぼる阿蘇山の噴煙を見上げるようにして咲いているよ。\n【鑑賞】足元に咲く可憐な筑紫龍胆の青と、天に吹き上がる阿蘇のダイナミックな噴煙との対比が見事な一句です。大自然の力強さと可憐な野の花の対照が、火の国の雄大な秋を鮮烈に伝えています。
筑紫竜胆咲き青空をひろげたり
野見山朱鳥【現代語訳】筑紫龍胆が青く咲き澄みわたり、その青さゆえに秋の青空が一層広く感じられる。\n【鑑賞】九州出身の野見山朱鳥による句です。花の冴え冴えとした濃青色が、天高く澄み渡る秋空の広がりと響き合っています。花の一点から大空全体へと視界が一気に抜けていくような爽快感があります。
筑紫竜胆阿蘇の煙の風にちる
阿部みどり女【現代語訳】筑紫龍胆が咲く高原に、阿蘇の火口から立ち上る噴煙が秋風に乗って千切れ散っていく。\n【鑑賞】風に流れる火山の煙と、風の吹き抜ける草原でじっと咲き続ける筑紫龍胆のコントラストを捉えた句です。旅先での乾いた秋風の冷たさと、荒涼とした高原に咲く紫の花の美しさが余情豊かに詠まれています。

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