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「唱門師(しょうもじ)」は、新年に家々を訪れて祝いの言葉や経文、門松の誉め言葉などを唱え歩いた芸能者のことです。「声聞師」とも書かれ、陰陽道や仏教、民間信仰が入り混じった芸能をもって、家内安全や招福を祈祷しました。中世から近世にかけて盛んに活動した漂泊の宗教芸能者であり、新年の訪れを寿ぎ、厄を払う存在として人々に迎えられました。古きよきお正月の風俗を伝える新年の季語です。
現在ではほとんど見られなくなった風情のある季語ですので、往時の情景や歴史の風情を呼び起こすように詠むのがポイントです。晴れやかな新年の空気と、旅を続ける唱門師の哀愁や泥臭さとの対比を描くと、句に深みが生まれます。また、彼らが発する独特の祝詞の声や、手に持つ鈴の音、門口に立つたたずまいなど、聴覚や視覚に焦点を当てて具体的に切り取ると生き生きとした情景が浮かびます。
・音や声を表す言葉:祝ぎ言(ほぎごと)、鈴の音、低き声、経の果て ・旅や身なりを表す言葉:深編笠(ふかあみがさ)、草鞋(わらじ)、墨染めの衣、杖 ・正月の情景を表す言葉:門松、土間、松の内、新春の風、寒晴れ