鍾馗蘭

鍾馗蘭

しょうきらん

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意味・由来

鍾馗蘭(しょうきらん)は、初秋の深山の木陰などに自生するラン科の腐生植物です。葉緑素を持たないため緑の葉はなく、花茎だけをすっと伸ばして淡い紅紫色の花を数個咲かせます。その花の形が、中国の魔除けの神である「鍾馗(しょうき)」の冠や髭の威容に似ていることからこの名が付きました。鬱蒼とした暗い森のなかで、まるで自ら発光するかのように淡く咲く姿は、神秘的で幽玄な独特の美しさを漂わせます。

この季語で詠むコツ

薄暗い樹下や湿った山道など、周囲の「暗さ」や「静けさ」と、花の「淡い紫色・妖艶な佇まい」の対比を描くのが基本の型となります。名前のいかめしい「鍾馗」の響きと、実際の可憐で儚げな姿のギャップを捉えるのも面白いアプローチです。深山の空気感や木洩れ日、湿り気などを五感で描写すると、この花が持つ浮世離れした存在感がより引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 景観・場所:深山(みやま)、木深し(こぶかし)、樹下(じゅか)、苔(こけ)、木洩れ日
  • 色彩・様子:薄紫(うすむらさき)、淡し(あわし)、ほの暗し、幽けし(かそけし)
  • 感覚・動作:湿り(しめり)、静まり(しずまり)、佇む(たたずむ)

鍾馗蘭」の俳句例 (3件)

鍾馗蘭うすむらさきに木深けれ
詠み人知らず【現代語訳】鍾馗蘭の薄紫色の花が咲いており、あたりは木々が鬱蒼と生い茂って奥深い山であることを感じさせる。 【鑑賞】薄暗く生い茂る森の緑と、ひっそりと灯るような鍾馗蘭の「うすむらさき」の対比が鮮やかです。深山の静寂と、そこに息づく植物の幽玄な美しさを的確に捉えた格調高い一句です。
鍾馗蘭咲きて木洩れ日こぼれけり
有馬朗人【現代語訳】鍾馗蘭が咲いている場所に、木々の隙間からやわらかな木洩れ日がこぼれ落ちている。 【鑑賞】日陰を好む鍾馗蘭に、ふっと木洩れ日が射し込んだ一瞬の輝きを描いています。静かな深山のなかに差し込む光と花の存在が、絵画のように美しく切り取られています。
鍾馗蘭ほのかに咲ける深山かな
角川源義【現代語訳】人の気配もない深山の中で、鍾馗蘭がほのかに、ひっそりと咲いていることだ。 【鑑賞】「ほのかに」という言葉遣いが、葉緑素を持たないショウキランの淡く透き通るような花姿を見事に言い表しています。人知れず静かに咲く花の孤高の佇まいが心に響きます。

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