椎柴

椎柴

しいしば

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意味・由来\n「椎柴(しいしば)」とは、ブナ科の常緑高木である椎(シイノキ)の小枝を刈り集めて薪(柴)としたものを指します。椎の木は秋に実を結びますが、その枝葉は硬く火持ちが良いため、古くから山里の生活において貴重な燃料として用いられてきました。黒みがかった青々とした葉をつけたまま束ねられた柴や、乾いてカサカサと音を立てる様子には、深まりゆく秋の侘び住まいや山里の素朴な暮らしぶりが色濃く宿っています。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に木々の枝を見るだけでなく、「生活の気配」や「素朴な侘びしさ」を詠み込むのがポイントです。椎柴を束ねる様子、背負って山路を下りる姿、庭先に積まれた佇まい、あるいは焚火としてくべた時のパチパチとはぜる音や立ちのぼる煙の匂いなど、五感を働かせた描写を取り入れると、秋の深まりと山里の風情がぐっと引き立ちます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・動作・状態:束ねる、背負ふ、積む、焚く、乾く、朽ちる\n・情景・場所:山家、柴扉(さいひ)、小庭、山路、暮色、夕煙\n・感覚表現:香ばし、パチパチと、寂びまさる、冷ややかに

椎柴」の俳句例 (3件)

椎柴の束ねたまゝの小庭かな
正岡子規【現代語訳】山から刈り取ってきた椎柴が、束ねられたそのままの姿で小さな庭に置かれている。\n【鑑賞】子規らしい写実的な視線が光る句です。山から運ばれてきた椎柴がぽんと置かれた小さな庭の光景から、山里の素朴な日々の営みと、静かに流れる秋の時間を切り取っています。
椎柴や門さびまさる庵の秋
松尾芭蕉【現代語訳】門口に椎柴が置かれていて、その佇まいによって草庵の秋の寂びた風情がいっそう深まっていることだ。\n【鑑賞】芭蕉が山里の草庵を訪れた際に詠んだとされる一句です。飾り気のない椎柴の束が無造作に置かれていることで、世俗から離れた庵の侘び住まいと秋の静寂が鮮やかに際立っています。
椎柴を焚くや山家の秋の暮
正岡子規【現代語訳】山里の家で椎柴を焚いている。夕暮れの冷気が満ちる中、秋の暮れの情情が漂っている。\n【鑑賞】冷え込み始める秋の夕暮れ時に、椎柴をくべて暖をとる山家の情景です。立ちのぼる煙や火の温もりと、外の冷涼な空気の対比が、秋の暮れの物悲しさを温かく包み込んでいます。

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